遺言書の開封・検認、遺言の執行について教えてください。
遺言書の開封・検認、遺言の執行とは、次のようなことをいいます。
なお、遺言書があっても、原則として、全ての相続人による遺産分割協議が成立すれば、遺言書の内容を無視して遺産分割をすることも可能です。
1.遺言書の開封・検認
遺言書に封印がなされている場合、その遺言書を勝手に開封することはできず、家庭裁判所で開封することとなります。
また、公正証書遺言以外の遺言書については、家庭裁判所の検認が必要です。検認というのは、遺言書の内容や体裁を確認して、偽造や変造を防ぐための証拠を保全する手続きです。それゆえ、家庭裁判所は、遺言書が有効か無効かについては関知しませんので、遺留分が侵害されるような内容の遺言書であれば、遺留分減殺請求をすることとなります。
遺言書の検認の手続きについては、遺言者の最後の住所地の家庭裁判所に対して遺言書と「遺言書検認申立書」を提出すると、検認証書が作成されることになります。
2.遺言の執行
遺言の執行とは遺言の内容を実現するために遺産の名義変更等の作業を実行することであり、遺言執行者とはその任務に当たる者のことです。
必ず遺言執行者を指定しなければならないわけではありませんが、遺言内容が複雑であったり、もめそうであったりするなら、指定しておくのが無難です。なお、遺言書において遺言執行者が指定されていない場合に、相続人当事者間では遺言内容の実現が不可能であるようなときは、家庭裁判所に遺言執行者の選任の申立てを行うことが認められています。