物納申請中に、相続が開始された場合についてが、わかりません。
<解答>
物納申請中における、土地については相続財産となり、物納申請に係っている未納の相続税については、債務控除の対象となる。
<解説>
(1) 物納申請に係っている財産及び債務の承継
相続人は、民法899条において、その相続分に応じて、被相続人の権利義務を承継すると規定されている。また、国税通則法第5条においては、国税の納付義務について、相続人が相続分に応じて承継することとされている。
このため、相続の開始が、物納申請中にあった場合においては、被相続人が物納申請を行っている相続税額について、その物納申請を、各相続人が行っているものとして取り扱われることになる。
したがって、物納申請中の土地にいては、相続財産になり、物納申請に係っている未納の相続税については債務控除の対象となることになる。
【注意点】
(一) 物納申請書については、相続税の納期限、あるいは納付すべき日(相続税の申告期限については相続の開始があった日から10ヶ月以内)までに提出しなければならないと規定されている。
物納財産を、国は換金することになるため、物納要件については、細かく規定されている。また、要件を満たしていない場合については、却下されたり物納財産の変更を求められたりすることもあるため、注意が必要だろう。
このため、相続が、物納申請中において発生した場合においては、物納についての一定の結論を得ることができるまでの間については、遺産分割を行わないほうが良いと考えられる。
(二) 物納申請中の財産と、その物納申請に係っている未納の相続税債務の承継についてだが、承継する債務と承継する財産の割合が異なる場合など、承継の方法によって、問題が発生する場合などが存在していると考えられるため、事前に税理士などの専門家にご相談されることをお勧めする。